紫外光の応用及び殺菌原理
波長に応じて、紫外(Ultraviolet、UV)光は通常、UVA(315 ~ 400 nm)、UVB(280 ~ 315 nm)、UVC(200 ~ 280 nm)に分けられる。その中の波長UVC帯は「日盲」帯とも呼ばれ、大気中のオゾンの強い吸収のため、近地太陽スペクトルにはこの帯の紫外光はほとんど含まれていない
UVCは主に水/空気/表面の消毒/浄化、分析機器(分光光度法、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーなど)、鉱物分析を含む。UVC帯域は波長が短く、エネルギーが高く、短時間で微生物生体(細菌、ウイルスなどの病原体)細胞中の分子構造を破壊し、微生物のDNAとRNAを破壊してその繁殖を阻止することによって、高効率で迅速な広範な殺菌効果を実現でき、それによって水、空気と物体表面に対して殺菌消毒を行い、細胞を再生できないため、水、空気などの殺菌消毒に広く応用されている。データによると、30 mW/cm 2のUVC紫外線照射強度だけで、1秒でほとんどの細菌に対してほぼ100%の殺滅を実現でき、効果が非常に顕著で、医療衛生分野に広く応用できる。個人の健康と家庭衛生の分野では、紫外線はコップや食器の消毒、空気浄化除菌、隠し虫の殺滅、靴靴下の殺菌消臭、赤ちゃんの哺乳瓶の消毒などに用いることができ、武の地は数えきれない
紫外殺菌効果
微生物の種類によって、紫外線殺菌時間と用量はそれぞれ異なる。細菌の種類によって紫外線の吸収ピークが異なります。例えば、DNA、大腸菌の最大吸収波長は265 nmであり、クリプトスポリジウム、ファージの最大吸収波長はそれぞれ261 nmと271 nmである。そのために必要な殺菌時間も異なるべきである。紫外線照射強度が3×104μW/cm 2の場合、ウイルスおよび細菌、カビ胞子、藻類細菌を殺すのに必要な時間はそれぞれ0.1〜1.0 s、1.0〜8.0 s、5.0〜40.0 sである。中国疾病予防制御センターウイルス病予防制御所の董小平専門家の研究チームによると、強度が90μW/cm²より大きいUVCはコロナウイルスを照射し、30分でSARSウイルスを殺すことができる
紫外線量は滅菌過程で重要な役割を果たしている。紫外線量は、紫外線強度と照射時間との積として表すことができる。紫外線量が十分な条件下では、不活化したウイルス細菌は復活しないが、線量が不足している場合、紫外線照射で不活化したウイルス細菌の多くは、光の協力作用によって自身が破壊された構造を修復することができる。紫外線量相と同時に、殺菌目的を達成するために、高強度、短時間または低強度、長時間の照射方式を採用することができる。1×104個/mLのヘリコバクター菌を殺すには、紫外線量30 mJ/cm 2程度が必要であるが、同じ数の胞子を殺すには、70 mJ/cm 2程度の紫外線量が必要である
常用紫外線殺菌照射量の場合
せいぶつたい | 照射線量(μWs/cm 2) |
|
細菌 | 90% (1 LOG Reduction) | 99% (2 LOG Reduction) |
炭疽菌-炭疽(病) | 4520 | 8700 |
炭疽芽胞 | 24320 | 46200 |
巨大バチルスsp.(spores) | 2730 | 5200 |
巨大バチルスsp.(veg.) | 1300 | 2500 |
パラチフス菌 | 3200 | 61 |
枯草バチルス胞子 | 11600 | 22000 |
枯草バチルス | 5800 | 11000 |
破傷風菌 | 13000 | 22000 |
ジフテリア | 3370 | 6510 |
チフスサルモネラ菌 | 2140 | 4100 |
大腸菌 | 3000 | 6600 |
鉤端螺旋体-伝染性黄疸 | 3150 | 600 |
好肺軍団菌 | 6050 | 12300 |
球状微小球菌 | 1000 | 15400 |
結核菌 | 6200 | 10000 |
ナイザー球菌 | 4400 | 8500 |
アグロバクテリア | 4400 | 8000 |
一般変形桿菌 | 3000 | 6600 |
緑膿仮細胞菌 | 5500 | 10500 |
けいこうせいちょうきん | 3500 | 6600 |
腸炎サルモネラ菌 | 4000 | 7600 |
パラチフスサルモネラ菌 | 3200 | 6100 |
チフスサルモネラ菌 | 2150 | 4100 |
ネズミチフスサルモネラ菌 | 8000 | 15200 |
セパタクロー | 19700 | 26400 |
ビスコサライ菌 | 2420 | 6160 |
志賀菌-赤痢 | 2200 | 4200 |
フロス志賀菌−赤痢 | 1700 | 3400 |
副赤痢志賀氏菌 | 1680 | 3400 |
あからせんきん | 4400 | 6160 |
白ブドウ球菌 | 1840 | 5720 |
黄金色膿ブドウ球菌 | 2600 | 6600 |
溶血ブドウ球菌 | 2160 | 5500 |
ラクト連鎖球菌 | 6150 | 8800 |
草緑色連鎖球菌 | 2000 | 3800 |
コレラ菌コレラ | 3375 | 6500 |
かび | 90% | 99% |
こうじかび | 60000 | 99000 |
はいみどりかび | 44000 | 88000 |
黒麹カビ株 |
132000 | 330000 |
総状カビA |
17000 | 35200 |
総状カビB | 17000 | 35200 |
乳卵胞子菌 | 5000 | 11000 |
青カビを広げる |
13000 | 22000 |
婁地青カビ |
13000 | 26400 |
フィンガーあおかび |
44000 | 88000 |
原生動物 |
90% | 99% |
ふつうクロレラ |
13000 | 22000 |
線虫の卵 |
45000 | 92000 |
草履虫 |
11000 | 20000 |
ウイルス |
90% | 99% |
E型大腸菌 |
2600 | 6600 |
伝染性肝炎 |
5800 | 8000 |
インフルエンザ |
3400 | 6600 |
ポリオウイルス |
3150 | 6600 |
花火葉病 |
240000 | 440000 |
こうぼ |
90% | 99% |
ビール酵母 |
3300 | 6600 |
よくある酵母餅 |
6000 | 13200 |
醸造酵母 |
6000 | 13200 |
だ円酵母 |
6000 | 13200 |
酵母胞子 |
8000 | 17600 |